Game Deep Vol.10 「コントローラから見るゲーム機」(中田吉法氏)について

私のように、指の操作によってコトの正否を左右するゲームに苦手な者の繰り言めいた発言かもしれないのだが、そもそものところで引っかかりが発生してしまった。

何故左に方向ボタン、右に操作キーなのか。誰がそれを最も操作しやすいものとして定着させたのか。

私が最もプレイしやすいスタイルは、右手のテンキー2468で方向ボタン、左手のZXキーなどが操作キーという配列だったりする根っからのキーボード派。今に至ってもYsVIなどはそのスタイルでがしがし戦っています。

確かに、現状のコントローラを左右逆にしただけでは、現状のままのコントローラよりも更に操作しにくい。親指だけの使用による上下左右の操作においては、右より左の方が比較的操作しやすい。

しかし、それは慣らされているだけのことではないのか。
どんなに私が苦手だ、苦手だとはいえ、家庭用ゲーム機を所有しており、左で方向、右に操作キー、という操作は常々行っている。

そもそもジョイスティック型が駆逐されたという点でも問題がある。
家庭内のスペースの問題。

単に操作のしやすさという点で排除された、という決定づけがなされているが、それならばアーケードにおいてもすべからくスティック型が排除されていなければならないのではなかろうか。
私のように成長過程においてゲームセンターのスティックが先にあり、後から家庭用ゲーム機が普及してきた世代と異なり、現在においては家庭用ゲーム機のコントローラに先に触れ、それなりの年齢になってからゲームセンターに入るようになるという道が一般的ではないか。(そもそも、ゲームセンターでジョイスティック型が何故採用されたか、という点も知りたくなるし、その時点で左が方向、右が操作キーという配置になった訳も知りたい。利き手が右というパターンが多い中で)

(本段落は脇道です)
これを言い出すと、レーシングゲームのギア位置の問題もある。私は一般車同様ギアが左にないと操作しにくいのだが、ゲームセンターの筐体ではレーシングカー仕様のせいか、右にギアがある。日本の公道を題材にしたイニシャルDなどは日本車だからギア位置が左になっている。
この理由は、そもそもの車種がそうなっている、という現状に似せるべくして施された位置づけということで理解ができる。
だから、右にギアがあるゲームはオートマでしかプレイできず、左にギアがあるもののみ、マニュアルで運転ができるという状況が続いている。


私の場合、家庭用ゲーム機よりも遙かに早くPCを入手しており、キーボードで延々とゼビウスグラディウスなどのSTGイースなどのARPGをプレイしたため、先に述べたキーボードによる操作方法に慣れきってしまったという原因がある。

要は、最初に触れたものによる慣れということ。それによってその人にとっての「使いやすさ」はいくらでも改変が可能ではないかということを指摘しておきたい。

もう一つ、コストの問題もある。
広範な普及が要求された家庭用ゲーム機において、という観点を加えたうえで、その中で最大限の効果を上げたものとしてのコントローラの位置について考慮し、その中でということであれば、中田氏の論は非常に精緻なものである。

標準品として据え置き型のコントローラは設置に大きなスペースを取られ、適切な高さの平面が必要(机上で安定していなければ操作ができない)であり、値段も高かった。昔の金属台座のアスキースティックは憧れでした。

また、中田氏のいうその後の発展は、両手で挟み持つ、というコントローラの姿が生まれてこその発展だったというところもあると思われる。

で、何にそんなにムキになっているかといえば、L/Rボタンをまともに使いこなせない、不器用な自分に対する捌け口だったりするという、いつものとおりのだいなしな話に。