Key系サークル同人誌感想


先述の通り、ゲッターさんの努力のおかげで、恒例の同人誌感想が書けます。
1か月も経ってしまいすみません。
今回、順序はサークル配置順です。あと、SS本も何冊か買いましたが、そちらはまだ読めていません……すみません。


Petit Alice(栗乃遥花さん)

『ラブサマ』
今年は『AIR』10周年ということで10周年記念誌。この本の冒頭「10年後何をしているのかな?」というのは自分にも突きつけられた課題でして。私のAIR+10はほとんど評論同人に身を捧げた(というほどもの書いていないですが)感じではありましたが、その成果はどうなんでしょう? 『ONE』の七瀬風に言えば「あたしのこの10年は、なんにもだった…」(はいはいお約束お約束)


『あ!りらいとっ』

私が『Rewrite』情報に疎いのでなにか感想をと思っても難しいです。『クドわふたー』に添付の体験版も未プレイです。いろいろと未プレイものが溜まりまくっています。


甘杏(透音さん)

『Summer Memory Summer』
往人は観鈴の幼なじみ、神奈は転校生と本編登場人物がみんな同じ学校にという、例えば、そんな、リアル(な幻想)。観鈴の髪型が何の留保もなく短髪だったのはなにかあるんでしょうか……。確かに、そんな幸せがあってもいいよね、と思わせてくれるものでした。

『M*O!』
2010年になって、『MOON.』や『ONE』の本を目にすることができるとは思いませんでした。私が2009年11月発行のこの本を見逃していただけですが。
前半は『MOON.』。ドッペル郁未が好きな透音さんは麻枝准と同じですね(スタッフコメント参照)。強気系女性は麻枝准のストライクゾーンとのこと。さて、本作は女性主人公ゆえ、女性視点だとまたひとつ違った見方ができるかもしれませんね……。郁未のアレな述懐とか求めつつも得られない束の間の平穏な日々とか。
後半は『ONE』。長森(と浩平の関係)には私も大きく影響を受けておりますゆえ、突き放す浩平の腹の中真っ黒っぷりにはかなり思うところがあります。で、長森も、そんな浩平に依存的について行かざるを得ない何かが隠れていると深読みせざるを得ないわけで。きっと長森も(いわゆる)永遠の世界に逝きそうな何かを抱えていると裏を探ったりもしました。作中には明示されていませんが。
ちなみに、寄り目テレ顔の長森の立ち絵が表示される場面ではテキストをアレしてみると「テレテレ瑞佳、要チェック!」とリード文が入っていたりして、制作陣もこの絵には悶えていたらしいことがわかります。ところで、こんなこと書いていいんだろうか……。


面影商会(ミサキコズエさん)

『horizon blue』
Key系でいつも購入させていただいている方々が揃い踏みの贅沢な『AIR』10周年記念本。表1が「DREAM SIDE」表4が「SUMMER SIDE」という感じになっていて、紙飛行機で輪廻の雰囲気を感じさせるという完璧な構成……! 内容は、総じて、登場人物たちがしあわせであってほしいという感じのものが多かったですね。
個人的に強く印象に残ったのは、かゆねにうさんの観鈴の表情に直撃ストライクとか、睦月まさとさんの、実は「そら」は観鈴にである前に海岸で遊ぶ少女とすれ違っていたとか、佐倉イサミさんの砂のケーキ(ブワッ(泣))とか、松沢はじめさんの絵柄とか、このあたりが琴線に触れました。あと、紗倉澪さんの描く「そら」が可愛いですね。種しかもらえず憤懣やるかたない感じでしたが。

『さよなら、好きなひと』
古式さん視点から、助けられた後のわだかまりについて。同じ運動系の佐々美の熱さに触れて目を見開かされていく感じでしょうか。続きが楽しみです。

『papico』
ICE GUYじゃダメなんだよ、という話の同人誌を昔読んだようなおぼろげな記憶がありますが、「ビスケット1枚あったら(あったら)ジョリィと僕とで半分こ」な話ですね(歳がばれる)。そして幸せスパイラル。『AIR』の構成に準じて、「SUMMER」での話を挟み、最後は「そら」のいる風景で、以前のことを忘れても残る分け合いの想い、と繋がっています。ゲーム内の構成とシチュをそのまま活かし、それを分け合い精神で一本筋を通した構成の妙が感じられます。


ギャラリー・フェイク。(わだぺんさん/おおたか鳴海さん):わだぺんさん「30x30」挿絵ありがとうございます。

『フェイトなのっ3』
なのは系は初代アニメしか見ていないので、フェイトってこんないじられキャラだっけ?という感じ。まあ、確かに生きるの不器用そうですが。


花楠(カゲロウさん)
『LEGENDIA AUREA 3 preview
相互に少しずつさらけ出し合い始める感じ。これから先が佳境ですね。


picon(舘内あきさん)

『SUMMERS ECHO』
舘内あきさんが描くと、いろいろなものが幸せな日々に見えてきます。結構ネガティブ思考の私には、そのようなものは憧憬の対象ですね。


羽根屋根(くぅくぅさん)

『[How do you do?]』
トンネルの中の五十嵐と奏は生前逢っていた、というところからふくらませたお話。たしかにありそうですね。強さとかその伝達などは『智代アフター』を思わせます。
この中でひときわ私に突き刺さったのは「(奏の心臓は音無のものだと)言ったらきっとあのひとは「彼」にとらわれてしまうもしれない…」という奏の独白です。麻枝准なら全てを受け入れてそして強くなれとか言いそうですが。これが引っかかるということは、私は挫折から完全には脱することができていないということですか。

『夢見た未来はまだ遠くて』
上の作品同様、先輩薔薇様(祐巳たち)に追いつけない感の乃梨子視点。ラストの台詞に全てが凝縮されている気がします。その場その場でベストを尽くせば、ということで。


BRIZZARD GIG(なおのなおるさん)

Dead Rising Music!』
ユイの下手さ加減に帰ってきてしまった岩沢とボーカル合戦というのは、ガルデモライブにいくと実現されていたり? と思いつつそういう方面には足を運びづらいので(飛び跳ねるとかサイリウム振り回すなんてムリ……)この本で楽しんでおきます。なんだかんだ言って目一杯がんばって、楽しんで、お互い認め合って、ということで丸く収まった感。


iron(叶ふんわさん):「30x30」挿絵ありがとうございます。

『THERE IS NO HAPPINESS, HAPPINESS IS THE WAY』
「After:c」は『AngelBeats!』アニメ本編の直後の続き。手を伸ばすところでアニメは終わっていましたが、その手を取ったのは、えっ、と思う割込。まあ、彼女ならそういう人だよね、という感。それもひとつの強さの現れと言えると思います。あと、直井きゅんが狙いすぎていてニヤリ。「直」の文字が付いていると男の娘キャラという法則が生まれた?感。
それから、自身の体験で言うと、突然の再会のとき「縁があったらまたあえるだろ」と別れたひとが何人もいるのですが、誰とも再会したことがないです。「記憶なしおっ」ならぬ「縁(えにし)なしお」ですね私は。
後半、リスアニ!×ガルデモライブ報告感謝。先述の通り、人前では「全部出し切」るのは無理そうデス……。


conica(紗倉澪さん)

『nostalgia』
佐々美様とりまきーズの一員、川越令(『リトルバスターズ!The4コマ』3巻参照)本。サブキャラ本は、以前に悠月さんの杉並さん本があったように、作品世界が広がりますね。さて、4コマでも川越さんは内気かつほのぼのキャラでしたが、こちらでは、入部までの逡巡というお話。作中にない時期のおはなしですが、いい先輩といい仲間との出逢いで世界が広がる様子が自然で、また、川越さんらしさがよく出ていると思いました。


がとーねーじゅ(+な)(名賀巴さん)

『ふたりの距離』
ネガティブ佳奈多にポジティブ小毬の幸せスパイラル伝達のお話。頑張れば叶うというのはときに凄惨なことになることもありますが、それでも幸せには貪欲に(Wind-a breath of heart-)。死ぬ時は前のめりに、ってやつですね。


鈴木弐番館(鈴木このりさん/れもたろさん)

『天使ちゃんマジマ〜ボ〜』
れもたろさん漫画。AB!ギャグ系。表紙の麻婆の赤さが毒々しい……。あの中に浸かっている音無はアッー!な状況になると思うのですが……。
さて中身。口の中にガードスキルという発想はなかった! まあ、確かに本編アニメでも辛さを感じていないようにみえる反応でしたが。
また、ハンドソニックバージョンMは無駄にスプーンがでかいですね。実用性に欠けるのは蓮華のVer.4とおなじかも。蓮華は独房の扉をこじ開けましたが。

なお、このりさんのリトバスSS本も買っていますが、感想は後ほどに。


Pendola(ふゆいちさん)

BPM
ハンドソニック麻婆タイプが別バージョンでした。こちらは蓮華、いや、レンゲ(紛らわしい)。こちらも異様に食べづらそうです。また、こちらでも女装担当の直井きゅん。
まじめな方の後半は、ゆりと奏の交感。最終話で友達になれたゆりと奏を深掘り。短い間で「卒業」してしまったが故の補完の願望は確かにありますね。もったいないと思いました。


おかたづけばこ(飛多ケイコさん)

『Makin'Happy! 〜first base〜 & 〜2nd base〜』
真クド連続もので同時購入です。初期真クドが相互スルーなのは良いとして、理樹と来ヶ谷がくっつく展開の中というのは意表を突かれました。他に例のないバックの中で鈍感さん同士が共闘する姿が、まじめでかつちょっとズレた感じが極めて真クドらしいかな、と。
あとは、時々男子面子(真人や理樹)の顔が非常にまじめなものになるところにぐっときたり(あれ?)。

『あなたの右手、わたしの左手。』
上記真クド、ついにラブラブ展開に突入?の巻。意識しているけれどあまりにも自然すぎて気付かないことを口にする必要性ということについて、くちゃくちゃ説得力ある描写と流れで組み伏せられました。のっくあうとです。

『FLAP-er!』
今回まとめ買いだったのでこちらも初見。最初の話は誤解が誤解を呼んで大混乱に。よくまあこれだけズレまくるもんだ、というくらい全員でひどい状況に。そんなわやくちゃなことも、このメンバーではさもありなん、という感じでにぎやかさがよく伝わってきました。あと西園さんの妄想暴走に妙な説得力がありました。
小毬・鈴中心といえども、周囲のにぎやかしに支えられての関係、という姿で、新たなこま鈴関係を見ることができたと思います。


ARI-COM(アリさん):「30x30」挿絵ありがとうございます。

『星見唄』
星座の話から筋肉に繋がる超展開のはずなのに、こんなにスムーズに繋がるアリさんのお話づくりに脱帽。そして、空を見上げながら微妙に入り込むクドわふたー展開。まさかの本編被りとは、それもアリさんの状況把握が的確な故。……おっと、恭介の怪我はまだ治っていなかった時期の話なんですね。筋肉筋肉ー!
……いつもにもまして後記が長いのは、愛が満ちあふれてオーバーフローしているが故ですね。

『You're My Angel』
たった1日の延長戦、という感じで、有り余る想いの補完と相成った感じ。お互いの気持ちを分かち合った直後の別離だった本編アニメに比して、わずかながらの延長の中で改めて気持ちを確かめ合い、分かち合うための猶予期間というところが、切なくもあり、未来への希望を感じたり、ということで沁みてきました。また明日もがんばれる、という感じの後味です。

『一級フラグ建築士のお仕事』
6月末にとらのあなで購入したのですが、感想を書いていなかったため、こちらに入れます。
放映中の作成でラスト前に頒布されるとはすばらしい反射神経ですね。受け止めて咀嚼してもなかなかアウトプットが出てこない私にはこういう反応は無理……ツイッターで断片をさらけ出すのがオチ。
さて、前半は音無が天然たらし男ぶりを発揮して奏以外の男を引っかけまくりつつナチュラルにスルー。天然だけにある意味たちが悪いと。後半はアニメ合間を埋めるさりげなくラブなシチュ。まあ、アニメはいろいろこういうシーンがあればいいのに、というところを妄想させるものでしたし、いろいろなifがこれからも出てくるのではないかと思います。


恋歌月姫(紋瀬夏海さん)

『Re:Love Song』
『Love Song』のための1冊。イラスト、漫画、SSなんでもあり。私自身も「『Love Song』解題」なる文章を書いたくらい思うところがあるアルバムなのですが、様々な方の受け取り方を参考にさせていただくことができました。皆さんストレートな愛情で、私のようにひねくれた変化球を投げる人はあまりいないようですね……。汚してしまったようで申し訳ありません。私は歌詞を見る限り、そもそも、いま、目の前に「彼女」がいるのか?というところから疑問符が付いてしまうという、根本からひっくり返す感じなので……。


MerryCLOVER(夕住まうさん):「30x30」挿絵ありがとうございます。

『カタオモイ』
正統派佐々美→謙吾片思いの図。前を歩く理樹クドカップルの姿を見て、想いがぐるぐる、という可愛らしい佐々美の姿。普段の強気とは一線を画す乙女回路にエネルギー充填120%のお話でした。
ところで、佐々美はいつもは自信たっぷりの言動なのに、こと恋愛に関してはモジモジ感。これはどこからくるのか、その源を探りたい気になります。


睦月屋臨時店舗(睦月まさとさん)

『Little Diary』
子ども時代総集編とのことですが、宮沢父と恭介祖父の存在感が際だっていたと思います。また、宮沢父は、私が妄想していたのと同じく敗北後に修行の旅に出て行きましたし、恭介の祖父は『CLANNAD』の秋生さんに近くなりますね。まあ、だいたい考えるところは似ているかと思います。


イヅミヤ依澄れいさん)

TRILL TRILL RECUR』
表紙がKey作品ヒロイン勢揃い。裏表紙はクド(クドわふ)、AB!、Rewriteまで。しかし『智代アフター』がないんですが……。
そして、中身は『ピタゴラスイッチ』ネタ満載。表紙のポーズがまずアルゴリズム行進に始まり、「♪一歩進んで前ならえ」、「●●スイッチ」、「♪(パッチンパッチン)ガシンガシン」(真琴のところ)、そしてあとがきのところも「♪おわり」のポーズ。見ていてよかったETV。猫がフレーミーだったり10本イラストとかあったら完璧だったり。4〜6歳児向けなので、ちょうど汐ちゃんが対象年齢ですが、アダルトなチャイルドの汐ちゃんは見ないかもしれませんね。


ivycrown(ゑむさん):「30x30」挿絵ありがとうございます。

『LoveFool』
『ときメモGS3』知りませんが……。まあ、愛は人を狂わせる、でも、それでいいじゃないか、という全力全肯定っぷりが心地よいです。まっすぐさにあてられました。


麦畑(高橋むぎさん)

ロータス・ブロッサム』
私の頭の中が『AngelBeats!』に汚染されているせいか、はたまた仏教的世界観をネタに麻枝准作家論をでっちあげたせいか、頭の中がBuddism憑いていて、「ロータス」という文字を見た瞬間に「ハンドソニックVer.4」とか「Lotus Sutra」が頭の中に湧いてくる煩悩丸出しの私がここにいます。ジャズ曲とはつゆ知らず。だいたい奏者の名前も知りませんでした……勉強不足。
さて、有紀寧と渚の智代支援話。初見で一瞬、あれ、智代が朋也の相方のはずが渚? とか思ってしまいました。バスケ場面とか。あと、ちょっとオチはひどいと思いました。照れ隠しにしても、あのふたりはそんなことは言わないでしょう……。


HONEY DROP(まきえもんさん)

「まきえもんさん」という呼称はNGとtwitterで仰っていたような……。声で呼びかけるわけではないのでご了承ください。

『CALL MY NAME』
真クド本。理樹と鈴がつきあうことになってショックを受けたクドは……という一度フラレナオン経由なのは飛多ケイコさんのおはなしと近似系。ただ、こちらはあまりひねらず理樹の相手は鈴でほぼ背景。あと、クドが意外と積極的に真人に要求を。進展が速いです。あと、何でも気付き見守る来ヶ谷。

『未来で待ってる。』
タイトルが時かけコンパチでグッときました。で、ギャグかと思いきや最後しんみりした感興を残してくれたので、「10話の感動をそのままにしたい方は〜」と謙遜なさる必要はないと思いました。


(おまけ:6月末購入)
VISTA(オダワラハコネさん)

こなたよりかなたまで
『AngelBeats!』ひなユイ本、ユイにゃん視点。
10話の感動の裏には、日向を見つめるユイの目があった。……TV中継を介してですが。セカンドフライの瞬間、日向に飛びかかったユイの心境の裏話。
これはよくできている、というかこれしかない、という感じを受ける補完話に仕上がっています。お涙頂戴もの(泣かなかったけど)。パズルのピースがかっちりはまりました。